Takuma Hattori

2016年10月14日
10995669_663830917094697_6105658587973381128_n

パキスタン ギルギットバルチスタン地方スカルド市のスタックチャン村でのフィールドワーク

名前 Takuma Hattori

出身 日本

研究領域 パキスタン地域研究、イスラーム教育、マドラサ

 

なんで国際協力に関心が!!

私が国際協力に関心を持ったのは高校生の時にテレビで見たフィリピンのスモーキーマウンテンを特集した番組でした。そこでは、自分と同世代の子どもがゴミ山でアルミ缶を集め、それを売って毎日生活しているというものでした。

日本での生活が当たり前。毎日学校に行って、一日3回の食事も食べられる、毎日温かいお風呂に入り、ふかふかなベットで夢を見られる。そんな生活が当たり前の社会が当たり前ではないことに強い衝撃を受けました。

そして、この時から、将来は世界の国の社会問題に取り組む仕事がしたいと決意しました。大学では、世界の問題を学ぶため国際関係を先行していました。

 

初めての海外渡航がパキスタン

大学では教科書やビデオ映像を通じて途上国の現状を勉強していました。しかし、どこかでこれは本当なのか?自分の目で途上国の現状を見てみたいと思っていました。海外に行ける機会を探していた中ある知人の紹介でパキスタンで活動をしている団体のことを知りました。また、その団体は毎年学生調査班を募集して現地に学生を派遣していることでした。気になったらすぐに行動する性格で、気が付いたら電話をして話を聞きに行きました。その団体は、パキスタンの北部バルチスタン地方で活動するヒマラヤン・グリーンクラブという団体でした。主に植林活動をおこなっていましたが、地域発展には教育は不可欠という理事長の思いで、20校程の学校設立や教科書配布、奨学金支援などを行っていました。話を進め学生班のメンバーとしてパキスタンに行けることが決まりました。

p1040512

パキスタンで途上国の現状を見る

空港に無事についてそこで見たいのは想像以上に発展していたパキスタンでした。町にはビルが立ち並び多くの車やビジネスマンの姿が見られます。日本のメディアが報道しているテロリストが多くいる危険な国というイメージは一気に吹き飛びました。そこから車に乗り換えて約半日車で移動し活動地のバルチスタン地方にきました。ここは中国と国境を接する山岳地でK2やマシャブルムなど8000m級の山が存在します。主な産業は農業で自給自足を中心に生活を行っています。現地では植林の状態や管理のモニタリングだけではなく、現地人にインタビューを行うなど活動を行いました。とある村に訪問した際に、ある少女との出会いから教育に関心を持つようになりました。

dsc_2702

 

ある少女との出会いから教育に関心が!!

活動地から車で1時間ほど離れた農村地のマトパラ村の学校見学に行った時のことです。子ども達が元気よく出迎えてくれました。しかし、なぜか女の子が数人しかいませんでした。先生に理由を聞くと家で働いているために学校に来ない、親が許さないと話しました。村から帰る時に畑で仕事をしている少女と話すことができました。その子は、小学校を中退して現在は家で兄弟の世話をしていました。将来の夢を聞くと算数の教師になることと話してくれました。なりたい夢があるにもかかわらず、それを実現することが難しい現実が存在していました。その経験から、私は、「なぜ、子どもたちは学校にいけないのか」、「なぜ勉強ができないのか」、「なぜ教育は必要なのか」、「そもそも教育って何?」と一人の少女との出会いから様々な疑問が湧いてきました。その疑問を明らかにしたい、パキスタンや途上国の教育の現状をもっと深く知りたい、解決の方法を明らかにしたいと思い大学院に進学することに決めました。

1464653_753022504714175_1150285937_n

大学院に入り

大学院に入りパキスタンの教育を研究していく中で様々問題とつながっていることが分かりました。貧困だけではなく、学校設備、教師の質、宗教、政府の教育政策、学校へのアクセス、教室環境など様々な複合的な要因から子どもたちが教育の機会を受けることができていません。もっとたくさんの先行研究を読み進めてパキスタンや他の途上国の教育環境を見ていきたいと考えています。

また、現在の研究室ではルワンダ人やバングラディシュ人、インドネシア人など様々な国の学生と一緒に研究をしています。様々な国の教育状況の話を聞きながら毎日勉強をしています。

13237746_10201808562051707_8558711786824353985_n

 

日下部ゼミを希望される方へのメッセージ

日下部ゼミのメンバーは日本人以外に外国人の学生が多く在籍しています。

研究や勉強のことだけではなく、一緒に食事をしたり、することで様々な文化を知ることができます。いろんな国のゼミ生との交流はかけがえのない経験になると考えます。

もし、気になったり、もっと知りたいと思ったら、研究室に来てくださいね。